半泣き状態でお見合い会場へ

さて「このお見合いもまたダメだったら」とナーバスになっている三十路のお嬢さま・雪子さん。お相手が待つオリエンタルホテルに、その雪子を伴って、幸子と夫・貞之助が到着します。
お見合いホテルオリエンタル
当時のオリエンタルホテルのロビー「阪急・阪神沿線文学散歩」というブログから写真をとらせていただきました。

気軽な食事会という形で、瀬越氏と関係者を含め総勢8名が、夕食のテーブルを囲みました。初対面の瀬越氏は、こんな感じの人物。

…体の格好、身長、肉附、洋服やネクタイの好み等々に
至るまで総べて平凡な、巴里仕込みと云うところなどは
微塵もない代りには、嫌味のない、
堅実な会社員型であった。


まずまずの好印象のようですね。

パリ勤務経験ありの瀬越氏に敬意を表してか、フレンチのコースで食事会は和やかに進んでいる様子。

「烏賊をトマトで煮て少量の大蒜で風味を添える」お料理など供されているようです。時代は戦前ですから、また一段と贅沢な会合ですね。


お酒が飲めることで好印象?

瀬越氏は注がれれば、何杯もワインを飲んでいる様子。

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雪子も実は白ワイン好きで、相手に調子を合わせようとがんばります。

自分ももっと朗かになりたいと云う気もあって、
目立たぬように折々口をつけていたが、

お酒の力を借りて、初対面の相手に明るく振るまいたい雪子さん。

しかし出がけに急な雨に降られたせいで…

雨に濡れた足袋の端がいまだにしっとりと
湿っているのが気持が悪く、
酔が頭の方へばかり上って、
うまい工合に陶然となって来ないのであった。

足元が冷たいと、なかなか気分があがりません。
これに限らず、体調が万全でないと「この人とは合わないかも…」と、自分の気分の悪さを、お相手との「相性の悪さ」と勘違いしがちです。

ただその時、貞之助と幸子夫婦は、行けるクチの瀬越氏の様子を見て好感をもったようです。その理由がまた、雪子が極端に内気だから…というものでした。

その妙な理由については、次回に書いてみたいと思います。

※小説の引用は『細雪(上)』新潮文庫からです。


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今回のブログの参考にさせていただきました、ありがとうございました。