御牧氏の結婚応援団長
牧岡家の三女・雪子は30代半ばでいまだ独身。最近の縁談も不調続きでした。そんな折、華族の子息の御牧 実(みまきみのる)氏・45歳の縁談が持ち込まれます。
今回のルートは、高級美容院の経営者・井谷の娘・光代からでした。雑誌『日本女性』の記者をしている光代は、その社長の国嶋氏を通して、御牧氏を知ります。
牧岡家の三女・雪子は30代半ばでいまだ独身。最近の縁談も不調続きでした。そんな折、華族の子息の御牧 実(みまきみのる)氏・45歳の縁談が持ち込まれます。
今回のルートは、高級美容院の経営者・井谷の娘・光代からでした。雑誌『日本女性』の記者をしている光代は、その社長の国嶋氏を通して、御牧氏を知ります。
国嶋氏は
御牧氏の父子爵とも
面識があるので、
もし御牧氏が
然るべき人と
結婚する気に
なってくれ
さえすれば、
自分から
父子爵を説き、
ここで又新たに
多少のものは
分けて貰い、
定職にもつかず散財している息子と父親の関係は悪化していました。
国嶋氏は、御牧氏設計の自宅が気に入ったこともあり、心強い味方となっています。
さしあたり
新夫婦が
所帯を持って
生計を立てて
行けるように
取り計らおう、
と云っている
のである。
稼ぐことを知らない御牧氏ですが、結婚生活の面倒を今一度、父・子爵に働きかけるようです。

洋行前の井谷も心配して
雪子をずっと心配してくれている井谷も、渡米前の最後の責任として、この縁談をバックアップする気でいます。
これは
蒔岡さんの
お嬢さんに
持って来いの
縁であるが、
神戸へ帰って
来てからも、
つくづく
惜しい縁なので、
なんとかならない
ものだろうかと、
そのことばかり
気に懸っていた。
忙しいなかにも、他人を心配する度量を見せる井谷ですね。
30代の雪子と40代の御牧氏、いまだ大人になり切れない二人の縁談は、周囲の大人の協力で調っていくのでしょうか。
※小説の引用は『細雪(下)』新潮文庫からです。

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