カタリナに比べて自分たち姉妹は
蒔岡家と交流のあったロシア人、カタリナ・キリレンコが、玉の輿婚をしたことを知った幸子。行動力で幸せをつかんだ彼女に対し、引け目を感じています。
そこには、未だ嫁がせてやれない妹・雪子の存在がありました。
幸子はこう感じます。
自分たちの中では
一番向う見ずで
「変り種」とさえ
云われている妙子でも、
いざとなれば
多少は世間を
恐れる気があって、
未だに好きな人と
一緒になることも
出来ずにいるのに、
若い頃の妙子は、駆け落ちをしたことがあったのでした。その相手とは今も、結婚に踏み切れていません。一方、亡命ロシア人であるカタリナは、20代の若さながら…
母をも兄をも
家をも捨てて、
世界を股にかけて歩いて、
自分でさっさと
自分の運命を開拓する。
イギリスに渡り、保険会社の社長秘書になったカタリナ。そこで社長と結ばれたのでした。
羨ましいわけではないけれど
幸子は姉の矜持でこう思います。
あんなのよりは
雪子ちゃんの方が
どんなによいかと
思うけれども、
しかし感じるのは、保護者たる自分たちの至らなさ。
でも兄や姉が
四人までも揃っていながら 、
今以て適当な聟を
見つけてやることが
出来ないとは
何と云う腑甲斐なさか。
30代半ばとなろうとする雪子を不憫に思う姉の幸子。
蒔岡家の婚活といえば、縁談が持ち込まれるのを待つばかりの姿勢です。この先、雪子に良い縁談は、はたしてもたらされるのでしょうか。
※小説の引用は『細雪(下)』新潮文庫からです。
サンマリHPはこちらから
蒔岡家と交流のあったロシア人、カタリナ・キリレンコが、玉の輿婚をしたことを知った幸子。行動力で幸せをつかんだ彼女に対し、引け目を感じています。
そこには、未だ嫁がせてやれない妹・雪子の存在がありました。
幸子はこう感じます。
自分たちの中では
一番向う見ずで
「変り種」とさえ
云われている妙子でも、
いざとなれば
多少は世間を
恐れる気があって、
未だに好きな人と
一緒になることも
出来ずにいるのに、
若い頃の妙子は、駆け落ちをしたことがあったのでした。その相手とは今も、結婚に踏み切れていません。一方、亡命ロシア人であるカタリナは、20代の若さながら…
母をも兄をも
家をも捨てて、
世界を股にかけて歩いて、
自分でさっさと
自分の運命を開拓する。
イギリスに渡り、保険会社の社長秘書になったカタリナ。そこで社長と結ばれたのでした。
羨ましいわけではないけれど
幸子は姉の矜持でこう思います。
あんなのよりは
雪子ちゃんの方が
どんなによいかと
思うけれども、
しかし感じるのは、保護者たる自分たちの至らなさ。
でも兄や姉が
四人までも揃っていながら 、
今以て適当な聟を
見つけてやることが
出来ないとは
何と云う腑甲斐なさか。
30代半ばとなろうとする雪子を不憫に思う姉の幸子。
蒔岡家の婚活といえば、縁談が持ち込まれるのを待つばかりの姿勢です。この先、雪子に良い縁談は、はたしてもたらされるのでしょうか。
※小説の引用は『細雪(下)』新潮文庫からです。
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