延び延びになっている野村氏とお見合い

いまだ流産の影響で体調が優れない姉・幸子。それを心配して当事者の雪子は、次のように言い出しました。

…私のために
何も無理をして
くれないでもよい。

もう一度
延期を申込んで、
万一そのために
破談になるような
ことがあったら、

それまでと思って
諦めよう。

こう云う時に
こう云うことが
起るのも、
もともと縁が
ないのかも知れない、…


こう妹に言われて、急に縁遠い妹への同情心が高まった幸子(当人は実のところ、関心がないだけかもですが(^^; )

お見合いに付き添う決心をします。

ぽこぽこ
季節は秋になっていました photo by ぽこぽこ


待ち合せ場所に今度は雪子さんが難色を…


こうして仲介役の陣場夫人から、改めて連絡が入りました。

明日、
時間は午後五時、
集合場所は
オリエンタルホテルのロビー
と云うことに、


野村氏の方から
きめて来たから
そうして貰いたい、


いよいよお見合いの具体的な段取りが始まりました。

尤もホテルへは
集合するだけで、


簡単にお茶を飲んでから、

何処かの料理屋へ席を移して
晩餐を取ることになる筈であるが、…

ごく自然な感じの流れですね。

ところがこれを姉から聞いた雪子さん、
待ち合せ場所が気に入らないと、ダダをこね始めました。

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相手にはここまでずいぶん待ってもらっていたのですが…

ようやくここまでこぎつけた縁談
どうしてなのか、これはまた次回に書いていきたいと思います。

※小説の引用は『細雪(上)』新潮文庫からです。




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