娘の雰囲気と容貌はというと
医学博士・橋寺氏と蒔岡家の三女・雪子の縁談。義兄の貞之助は、橋寺氏の自宅まで訪問しますが、肝心の結婚話は盛り上がりません。
しかし帰りかけた貞之助を、橋寺氏は昼食に招きます。氏のひとり娘も同席した、高級レストラン・アラスカで、貞之助が受けた印象はというと…
娘は悦子より
三つ年上の
十四歳と云うことで、
「悦子」とは貞之助の娘のこと、
悦子に比べると
物言いなども
ずっと落ち着いて
大人びていたが、
それは一つには
顔だちから来る感じ
のせいもあったろう。
と云うのは、
女学校の制服を着て、
おしろい気のない顔を
しているけれども、
ノーメイクのまだ中学生です。けれども…
既に少女型でなく、
面長の、鼻筋の通った、
引き締まった
成人型なのであった。
すでに大人びた顔立ちをしているようです。

先妻の様子が偲ばれて
さらに貞之助はこう感じます。
そして橋寺に少しも
似ていないところを見ると、
母親似に相違なく、
母が相当の美貌
であったことも、
橋寺が
この少女に依って
今は亡き
恋女房の面影を
偲びつつあることも、
ほぼ想察することができた。
再婚となる橋寺氏としては、残されたひとり娘と、雪子との相性が気になるのは当然のこと。
雪子が姪の「悦子」をかわいがっていることは、大いにプラスに働きそうです。
※小説の引用は『細雪(下)』新潮文庫からです。

再婚となる橋寺氏の関心事は、娘と義母となる女性の相性です
サンマリHPはこちらから
医学博士・橋寺氏と蒔岡家の三女・雪子の縁談。義兄の貞之助は、橋寺氏の自宅まで訪問しますが、肝心の結婚話は盛り上がりません。
しかし帰りかけた貞之助を、橋寺氏は昼食に招きます。氏のひとり娘も同席した、高級レストラン・アラスカで、貞之助が受けた印象はというと…
娘は悦子より
三つ年上の
十四歳と云うことで、
「悦子」とは貞之助の娘のこと、
悦子に比べると
物言いなども
ずっと落ち着いて
大人びていたが、
それは一つには
顔だちから来る感じ
のせいもあったろう。
と云うのは、
女学校の制服を着て、
おしろい気のない顔を
しているけれども、
ノーメイクのまだ中学生です。けれども…
既に少女型でなく、
面長の、鼻筋の通った、
引き締まった
成人型なのであった。
すでに大人びた顔立ちをしているようです。

先妻の様子が偲ばれて
さらに貞之助はこう感じます。
そして橋寺に少しも
似ていないところを見ると、
母親似に相違なく、
母が相当の美貌
であったことも、
橋寺が
この少女に依って
今は亡き
恋女房の面影を
偲びつつあることも、
ほぼ想察することができた。
再婚となる橋寺氏としては、残されたひとり娘と、雪子との相性が気になるのは当然のこと。
雪子が姪の「悦子」をかわいがっていることは、大いにプラスに働きそうです。
※小説の引用は『細雪(下)』新潮文庫からです。

再婚となる橋寺氏の関心事は、娘と義母となる女性の相性です
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