はじめに

もう30年以上前になりますが「愛の若草物語」というテレビアニメがありました。現在50代の私は、このアニメの原作『若草物語』(原題 Little Women) を書籍で親しんだ世代です。

女の子なら誰でも読む本のひとつと思っていたのですが、最近の若い人たちには、あまり知られていないと聞きました。
 
しかしこのお話、今読み返しても面白く、人生に役立つ知恵やエッセンス がいっぱい詰まっています。読まないのは、あまりにもったいない!という感じです。
 
大人になった今、私なりに「なるほど、そうか」と納得感があったこと、それは「大人になってわかる若草物語の魅力」として綴っていきたいと思います。

クールベ メトロポリタン美術館
150年前に小説として書かれて以来、映画、アニメ、ミュージカルと多くのジャンルで表現されてきた『若草物語』。
あなたもその大きな物語世界へ船出してみましょう。(クールベ メトロポリタン美術館蔵)


『若草物語』が書かれたのは、明治維新のとき

作者ルイザ・メイ・オルコットは、1832年、アメリカのペンシルベニア州フィラデルフィアに生まれました。

『若草物語』が書かれたのは1868年、彼女が35歳の時です。日本では、元号が江戸から明治に変わった、明治維新の年にあたります。
 
こうしてみると、ずいぶん昔に書かれた小説であることがわかります。

物語の四人姉妹は、作者オルコット自身を含めた実際の姉妹がモデルです。改めて読むと、約150年前の女の子の夢や希望や行動が、今と少しも変わらないことに驚かされます。
 
キレイになりたいこと、素敵なパーティに行きたいこと、お隣の少年が気になること、良い未来のためにガンバルこと … この普遍性があるからこそ、『若草物語』の少女たちは、時間と空間を超えてなお、生き生きと立ち現れてくるのだと思います。

コンコードのオルコットハウス
 アメリカ・コンコードのオーチャードハウス。オルコットはここで『若草物語』を書きました。(ニューヨーク公共図書館蔵)


『続若草物語』は、19世紀の婚活物語?


ところで『若草物語』に続編があることは、ご存知でしょうか?出版当初から、小説はベストセラーとなったため、オルコットは同年すぐに続編に着手し、翌1869年には書きあげています。
 
若草物語』では、姉妹それぞれが一人前の女性になっていく過程が描かれています。

新たな経験、様々な人との出会いや別れを通して、あの夢見る少女たちは、現実と折り合いをつけていく術や、自分の夢の着地点を探っていくことになります。

少女時代の四人姉妹
少女時代の四人姉妹と母親。やがてそれぞれの人生を歩み始めます。(ニューヨーク公共図書館蔵)


ですので『続若草物語』は、お年頃になった姉妹たちの〈婚活物語〉といった感があります。とりわけ次女ジョーと末っ子エイミーの言動がとても対照的で、その展開には目が離せません。

独立独歩の精神が勝りすぎているジョーと、人生高望みな感じのエイミー。それぞれが、夢に向かって試行錯誤の真っ最中で、どちらも応援したくなります。
 
はたして二人とも、望み通りの結婚に至るのか? 
 
二人のお年頃の女性、ジョーとエイミー、私が小説を読んで感じた、それぞれのキャラクターの魅力を書いていきたいと思います。



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