婚活するヒロインたち 結婚に役立つ名作案内 「若草物語」「細雪」

名作文学のヒロインたちから現代に役立つ結婚の知恵を学びます。―いろいろあるけれど、最後には笑おう ― 次はあなたがヒロインです。

カテゴリ:細雪 > 雪子のお見合い④お見合い後の進展

周囲の努力の甲斐もなく

雪子の極端な内気さから、破談となった医学博士・橋寺氏との縁談。

こじれた縁談ですが、雪子の義兄・貞之助と社交家の橋寺氏は、相手を思いやる手紙をやりとりし、大人の終わらせ方をしていきました。

それに対し、当の雪子さんはというと…

うわべは別に
ガッカリしたような
様子も なければ、

貞之助や幸子に
気の毒をしたと
思っているらしくも
なかった。


姉夫婦の優しさに甘んじている、三十代半ばのお嬢さまです。

中姉夫婦の親切は
分っているけれども、

自分の性分として
あれ以上勤めることは
出来ないのであるから、

それで纏まらなかった
縁なら惜しくはない、

自分を変える努力は必要なしのようです。

―と、多少は
負け惜しみもあって

虚勢を張っている
のかも知れないが、

―いかにもそう思って
いるかのように
振舞っていた。

どうにも可愛げがない雪子さんでした (-_-;)

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姉の優しさで現状維持が続く

蒔岡家の婚活は度重なる不手際で、旧家としての評判を落としてばかりです。しかしお嬢さま育ちの幸子は、感情的に強く出ることができません。

幸子はとうとう
雪子に向って露骨に
不満を爆発させる
機会を失い、

ついぐずぐずに
仲直りして
しまったものの、

まだ何か胸に
燻っているものがあって
釈然とはしなかったので、

時間と労力をたくさん使う婚活。

いくら妹思いの幸子でも、さすがに雪子さんの態度に疑問を感じ始めたようです。

※小説の引用は『細雪(下)』新潮文庫からです。



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雪子さんに期待できないまま

医学博士・橋寺氏と蒔岡家の三女・雪子の縁談。その橋寺氏から雪子に直接連絡が入ります。しかし大変な電話嫌いの内気な雪子さんは、対応ができないまま。

外出先でそれを知った姉の幸子は、橋寺氏が気分を害してしまうと慌てます。

兎に角今日は
雪子が自分で出なければ、

― それも直ぐ
飛んで出なければ
いけない場合なのである。

直接の交際の始まりとなる、大事なファーストコールです。

幸子は
虫が知らすと云うのか、
この小さな事件が原因で、


お相手にとっては大きな事件かもしれません (-_-;)

折角此処まで
運んで来たものが
駄目になってしまう
のではないかと、

ふっと
そんな予感もしたが、


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橋寺氏の社交性頼みで

帰りを急ぎながら、幸子はこう期待をかけます。

しかし橋寺は
ああ云う如才ない
愛想のよい
人物であるから、


このあたり、お嬢さま育ちの幸子はちょっと考えが甘そうです。

人当たりが良くても、ビジネスで鍛え上げた社交性は、併せてお相手の社会性に厳しい目を持ちます。

まさか一遍
そんなことが
あったぐらいで

話を打ち毀すの何のと
云うこともあるまい、
と思えた。


そんなことぐらい」と思えても、お相手どう受けとったかが全てです (^^; 

雪子さんの非常識さも、身内にはそれでも「個性」と映りますが … この後、幸子はどのような事態に直面するのでしょうか。

※小説の引用は『細雪(下)』新潮文庫からです。



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